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大学生スプリンターの考えすぎる練習日誌

どこにでもいる大学2年生の短距離練習日誌

8/12(月) 初優勝

8/12(月) 対校戦 @上柚木競技場

 

GC)400は雲がかかっていたけど、マイルあたりは日焼け必須の暑さ

PC)疲労は特にない

 

 

 

概要

 

出場種目

 

400(対校)

200(OP)

4*400(対校)

4*400(OP)

 

結果(全て手動)

 

400(対校)   50.00  PB!

200(OP)   DNS

4*400(対校)  3.30.03

4*400(OP)  3.43.43

 

400記録推移

 

高校

53.5?   (一度しか走ったことない)

 

大学

2018/09/18  56.46

2019/05/12  51.3  (手動) PB更新

2019/06/23 51.45 (電動)PB更新

2019/06/29 予選 50.92 PB更新

2019/06/29 決勝 51.63

2019/08/12 50.00 (手動) PB更新

 

400

 

緊張もしない。戦略もない。

 

1時間45分ほどのゆっくりとしたアップを行なった。一緒にアップしていた他校の人のアップがなんか凄そうで、強うそうだった。やばいな、と感じた。

特に何も考えず、腿上げとかファストスキッピングとかギャロッピングとかを適当に行って、なんとなく体が暖かくなったところで招集。

 

3レーンにスタブロが置かれて、いつも通りその時の感覚でスタブロをセッティング。対校なのに選手紹介がないことに驚き、いきなりのOn your marks.スタブロに足をかけても緊張はない考えることもない

 

きっと誰かに勝とうとか、タイム目標とか何もなかったからだろう。タイム目標は設定しない主義だ。明確な根拠のない目標を定めて、それが達成できたかどうかで評価するのは意味がないからだ。予選通過タイムとか通過順位とかを目標にするならまだしも。

 

とにかく、緊張がなかった。頭の中は空っぽ。あ、でもビデオをそばで撮られていることはちょっと意識してたかも。

 

レースプラン

 

 

流石にレースプランがないわけではない。ただ、普段の練習で作ってきた走りなので、体にだいぶ染み付いていて、そこに頭のメモリを割く必要はない。

 

①楽な加速

②楽に走る

③無理やりな引き上げで回転速度をあげて前の人との距離を詰める

 

①と②の切り替わりは感覚でわかる。トップスピードに近づいてきたら勝手に加速はしにくくなるから。

②はホームストレートまで、つまり残り100の地点まで。

 

楽に走る

 

楽に走るのは簡単だ。

 

気持ちの良い接地をする。

 

まず、接地をしっかり行うこと。気持ちよく、地面に受け入れられる接地を心がける。

うまく接地できれば、気持ちよく楽に走れるから、合同練習とかでトレーニングしておけば、勝手にそういう接地位置に収束するようになる。

 

楽に、って言う。

 

あとは、ひたすら「楽に走る」とか「楽に、楽に」といった日本語を実際に頭の中で発するのだ。今日のレースでは5,6回は唱えたんじゃないかな。

 

自分のペースで

 

相手に惑わされてはいけない。いくら勝たなくちゃいけないような、申請タイムが自分より遅くて負けたらまずいような、負けたらプライドが傷つくような、そんな人が、バックストレートやラストのカーブで前にいてもだ。

決して、彼らに追いつこうとしてはいけない。それはラスト100でやることだ。今じゃない。今はとにかく自分のペースで走ろう。競って走りを崩されたことが何度あることか。

 

 

③の走りはこの前開発した。まだプロトタイプ状態で、今日使うかどうか迷ったけど、楽な走りに慣れてきたところだし、再現性があると信じて使ってみた。この走りは9日前の練習で見つけた走り。

 

 

miyublog2.hatenablog.com

 

 

アインシュタイン

 

5月くらいに開発したEinsteinと名付けていた走りの改良版。結局Einsteinは接地が乱れることと、大腿四頭筋が強度に疲労するので廃止したけど。

 

Einsteinは、聞けば何を当たり前のことを、と言われるかもしれない走りだ。でも、名付けるほど価値がある走りだった。簡単に言うと、long練習(200~400)で、ラストは前にいる人との「相対距離」をひたすらに縮めることを意識すると、スピードを落とさないどころか、抜かせる可能性がある、といった内容。

 

当たり前に聞こえるこの現象(走り方)は、「根性」とか「粘り」とかで片付けてはいけない。そんな怪しいものに頼るのはよくない。

 

Einsteinの本質は、ラスト、きつい状態で、ピッチを上げたりストライドを伸ばしたりしようと考えると、それが筋的にできないことに気づき、結局スピードがどんどん落ちることを、相対距離という別の目に見える指標で置き換えて走ることで、安定したラストの維持を可能にしたものだ。

 

それだけでない。300400のラストというのは、ホームストレートに入ったところで、まだ100m離れているゴールラインを目指して走ることになる。遠すぎるんだ。でも、すぐ近くにいる相手との距離を考えてみよう。たかだか数mだろう。そこをゆっくり詰めることは、とても意識しやすい。

 

以上の点がEinsteinの本質だ。相対距離って、なんか相対性理論っぽかったので、あと、すでにNewtonという走りを冬に開発成功していたので、偉人の名前がつけたくて、アインシュタイン(Einstein)にした。

 

それを改良したんだけど、そこにできる限り大腰筋周辺の屈曲で回転数を上げるっていうことと、接地をしっかり意識し続けることらへんを加えたのが今の走り。まだ名付けはしない。プロトタイプすぎる走りが、成功したということ自体に価値がある。

 

 

あんまり考えすぎないほうがいい

 

6月まで、数々の走りを開発してきた。そのおかげでタイムが伸びたんだけど、走りを複数に分割しすぎた。途中でそれには気づいたけど、結局、無意識下に落としたほうが速いし、走りは統一理論のもとで行われたほうが速い。

 

だから、今までの走り(Newton , Newton2 , vector , super ventor , Ultra , Eater , Einstein)の多くを統合している。

 

廃止した走りもあるけど、廃止というのは決してなかったことにするものじゃない。

体や動きに刻み込まれたものもあるし、重要な考え方だけ継承して統合させたものもある。

 

とにかく、普段の練習から、走っている時や練習の目標ではあまり多くのことは考えないほうがいい。

考えるのは練習後でいい。好きなだけ考えればいい。

 

はじめて優勝した

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木曜日にはるやさんと自主練した時、手を抜いて僕に負けたらブログのサムネイルは僕が勝っている写真にしちゃいますよ、って言った。今日、結局はるやさんはラスト、手を抜いた。本人曰く、後ろから来ている音がしなかったから抜いたらしい。自分の接地は開発に結構な時間をかけいている。今の接地で音がバタバタするはずがない。

 

手を抜いた人に勝ったのはなんか不完全燃焼。それでも勝ちは勝ちだし、初めて400mの対校で優勝したのは素直に嬉しかった。考えてすらいなかった。優勝。響きがいい。いくら小さな大会だとはいえ、それを喜ぶ権利くらいはあるだろう。こういう小さな大会でしか走れない自分にとっては嬉しいのだ。

 

はるやさんから、次は負けん、ってラインが来た。ちょっと嬉しい。まだタイム差がそこそこあるけど、あの人の中で少しでもライバル的な立場に近づいたのならよかった。

はるやさんからは人として吸収できるところがたくさんあるから、これからもたくさんお世話になると思います。

 

 

別に調子がいいわけじゃない

 

僕の周りのスプリンターはしっかり練習日誌を書いているのかな。よく誤解されるけど、速くなる最短ルートは練習を積むことじゃない。

 

みんなと同じ量の練習でいい。少なくても遅くてもいい。一回の練習から、いくら吸収できるかが鍵なんだ。体力とか根性とか感覚とかあてにしちゃダメだ。理論を作ろう。理論は自分の中で完結してもいい。他人に応用できなくていいし、コロコロ変えても良い。それでも、理論を作ることは、今日の練習が本当にあったことの証拠であり、今日の練習を永久に使えるようにする最短の方法なんだ。その癖が大切なんだ。

 

陸上の本を読んでもそれは得られない。自分も本を大量に読んできた。10冊単位で毎週借りて読んでいた。今も毎週数冊トレーニングの本を読んでいる。それでも、そこからは走りのコツは得られないんだ。本当の教科書、参考書ってのは動画でもなく、その日の練習、自分の走り。遅くたっていい。タイムがとられてなくたっていい。そこで得られた感覚やフィードバックを大切にしよう。そして、それをメモする。必要ならば次の練習で開発をする。再現性を高めるのだ。感覚派と理論派は対立されるようによく言われる。全然違う。理論は感覚をもとに構成されるんだ。自分は理論派ではないという人は、理論がないだけなんだ。それで速い人もいるし、いいとか悪いとかそういう話じゃないけど、とにかく、理論派という分類をするなら、それは感覚をものすごく大切にしている人たちなんだ。

 

 

みんな僕をみて、調子がいいという。違う。調子がいいんじゃない。波の高いところに乗っているわけでもない。そう言った当たり前のことを続けているだけなんだ。怪我すれば調子が悪いと言われるだろう。僕は一度の走りを永久に残すから、怪我して何週間走らなくたって、タイムが落ちる気がしない。もちろん体は動かないだろう。それでも3週間あれば体力は戻る。走りは文字で記録されている。大切な感覚は再現性を高めておいてある。だからいつでも本調子に戻せる。感覚が消えても、また練習すればいい。何が大切なのか、怪我する前、何を最後に考えていたのか、全部残っている。だから戻れる。走っていなくても、理論は開発できるんだ。だから、走らなくても、走れなくても速くなれる。いつでもどん底に落ちていい。その覚悟はあるさ。でも、すぐに元に戻し、そこから再スタートを切れる自信もある。

 

才能なんかなくていい。自分はない。もともと短距離で一番遅かったビリだった。少なくとも今年の春までは。センスだけで走っているという人は本当にすごい。でも全く羨ましくない。遅いところからスタートしたほうが楽しいし。考えて、試行錯誤さえすれば、速くなる。陸上は裏切らない。

 

 

 

 

マイル

 

ふざけたことに、お遊びマイルで得られたことが結構大きかった。

400の三本目にあたる、マイル二回目では、当然走る気力も体力もない。だから、最低限の加速だけして、あとはひたすら完璧な接地を心がけた。気持ちよく走る。楽に。心地よい走り。それを意識して気楽に走った。そしたら、最後まで美しい接地をすることができた。これはあくまで感覚だけど、動画が公開され次第、分析してみたい。

 

接地にだいぶ再現性が出てきたようだ。今日の大会で、さらに再現性が高まった。これが、間違った方向に成長しないように、しっかり考えながら接地を開発していきたい。

 

もしかしたら、スピードに任せず、体力にも任せず、疲れている時の練習こそが、接地を鍛える鍵なのかもしれないと思った。今後もきついメニューは、ラストしっかり接地を意識していきたい。

 

今日は接地の再現性が高まったのがメインなので、そこまで接地についてかけることはない。

 

 

楽しかった

 

とにかく楽しい大会だった。なんかみんながイキイキしている感じがした。

もちろん、怪我で走れていない人も数人いたけど、あと、怪我しちゃった人もいたけど、それでもみんなが楽しんで陸上をしているのが嬉しい。本当にそういうのを見るのが、そういう雰囲気にいることが好きだ。

 

あと、ついに400が短く思えてきちゃった。まぁ1日にこれだけ走ることもないだろうし、貴重な機会をうまく活用できたいい練習になった。

 

今日は多くの人に感謝しなくてはいけない。

 

こんな自分に走るチャンスをくれたはるやさん。

 

わがまま言って動画を個人的にとってくれたマネさんや、氷をすぐに買ってくれたマネさん。

 

そしてなにより、マイル後にぶっ倒れて死んでいた自分のそばにずっといてくれて、いろいろ助けてくれた長谷川。

 

本当にありがとう。

 

なんかこの文章書いているうちに感謝で涙が出てきたから、ここで今日の反省は終わりにする。