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大学生スプリンターの考えすぎる練習日誌

どこにでもいる大学2年生の短距離練習日誌

10/30 (水) 陸上でハムを怪我する理由。怪我した友達2人の走りを分析してみた。

 

 

 

陸上をやっている人なら一度はハムを痛めたことがあるだろう。

 

ここでは、なぜハムを痛めるのかを、ハムを怪我した友達の走り方から考察してみたいと思う。

 

 

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(ハム:ハムストリングス。太ももの裏にある筋肉群のこと)

 

「リーチアウト」とハム

 

「リーチアウト」という概念をご存知だろうか?

正直な話、僕はまだ知って1ヶ月経たない。

 

1ヶ月前のとある大きな大会で、訳あって静岡大学のとある選手と、ドリルや陸上の知識について話す機会があった。そこで教わったことの一つだ。

 

 

リーチアウトとは、接地するときに、膝よりもつま先が前に出ること。

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そうすると、接地したときにブレーキがかったり、ハムを痛めることに繋がる。

 

なぜハムを痛めることに繋がるのだろうか?

 

 

リーチアウトせずに乗り込む

 

簡単な話だ。

 

例えば、階段を上るときによくわかる。

一段上にある前脚に体全体を乗り込ませると楽に登れるだろう。

ハムを使わなくて済む。

 

それに対し、体を乗り込ませないとどうなるか。

ハムを使って無理やり体を持ち上げる必要がある。

それだと、駅の階段の上り下りだけで、ハムがパンパンになるのがよくわかる。

 

 

 

つまり、いかにリーチアウトせずに体を乗り込ませるかが重要なのだ。

 

 

 

怪我をした友達たち

 

僕の所属する陸上部の短距離は、同学年で10人ちょい。

そのうち3人がハムを痛めている。

全員違う時期に痛めたが、現在は全力では走れない。

 

彼らに共通する原因があると断定はできない。

そんな単純じゃないとは思う。

でもちょっと、リーチアウトという視点で見てみたら面白い発見がありそうだ。

 

 

一人目の選手

 

半年以上に渡って、ハムの怪我でまともに走れていない。

本人は整体やら病院やらによく行って、大まかな原因は掴んでいるらしい。

 

ようやく少し走れるようになったかと思った今月頭、また痛めた。

その時の走りを、残っていた動画から切り抜いて、骨格を抽出してみる。

 

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250mの加速のシーン。

 

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東工大の100m,200mの記録保持者、サナダさんの走りと比較しよう。↓

 

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サナダさんも、同じく250mの加速のところを切り出した。

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ギー(怪我した選手のあだ名。今つけた)が上。サナダさんが下。

 

 

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ギーの加速は、確かにリーチアウトこそはしていないものの、ハムを使って体をたぐり寄せるような加速をしている。

 

というのも、重心よりも前に接地し、そこからハムを使って無理やり体を持ってきているような動きに見えるのだ。

 

実際はどうかは知らない。

でも、体の乗り込みができているかというと、そうは言えないだろう。

 

 

二人目の選手

 

二人目は、我らが短長のメンバー。

400mを専門として走ってきたが、3日前の記録会で200mを走ってハムを痛めた。

 

以前から時々ハムを痛めては、1,2週間走らなかったりしてきた。

今回はそこまでヤバくはないと言う。

 

彼の走りを考察してみよう。

彼がハムを痛めた「加速局面」の練習動画だ。

 

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上が怪我をした選手の走り。

これと、体の乗り込みがうまいと勝手に僕が評価している、ウーマさんの走りを比較しよう。↓

 

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さてさて。二人の違いは。

 

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はる(怪我をした選手)が上、乗り込みが上手なウーマさんが下。

 

 

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これはリーチアウトの典型例かもしれない。

足先が伸びきっている上に、そのまま重心よりも前に接地している。

 

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こうなると、ハムを使って無理やり体をのせるから、ハムを過度に使用し、痛めやすい。

 

 

 

 

まとめ

 

今回はそこまで深くは考察しなかった。

それでも、リーチアウト、もしくは「体の載っていない接地」がよく確認された。

 

もしかしたら、これらの要素がハムを痛めることに繋がっているのかもしれない。