7/29(月) クリーンと骨盤の関係
7/29(月) 学校
ウェイト
クリーンと骨盤
この前のクリーンの画像に対して、宮城がこんなことを言った。
「猫背が悪いように見えたり、尻を引いていないことが悪いように見えるけど、実際は骨盤が後傾している。
その結果、腰が丸まっている。きっと、上半身でウェイトを挙げているからだろう。」
送られた写真を勝手に引用する。
骨盤が後傾しているという見方をすれば、なるほど確かに骨盤は後傾しているように見える。骨盤の後傾は、陸上競技をする者にとって、決してやってはいけないことの一つと言える。
骨盤の後傾は、その周囲で骨盤周りを支える筋肉が弱いとか、柔軟性で片付けられることが多い。日本人は生まれつき後傾しているだのとも言われてよくわからない。高校の頃は、ハードルドリルをすれば必ず骨盤が後傾して、柔軟性を指摘され、ハードルドリルのたびに嫌な思いをしたのをよく覚えている。確かに柔軟性が足りていないのはあるだろう。ただ、練習において、柔軟性だったり筋力が弱いことを指摘することに果たしてなんの意味があるだろうか。今日指摘されて明日の朝に治る話じゃない。言うのは簡単だが、本人は普通それを言われなくても気づいている。中学は知らないが、高校陸上の改善しなくてはいけない風潮だと思う。
話が逸れたが、骨盤の後傾は、陸上競技をやっている者なら一度は考える課題で、多くの場合、残念だが結論には至らない。自分も明確な結論はない。ただ、筋力や柔軟性で片付けるのは、思考の放棄であるから、それは行わずに考察してみたい。
今一度クリーンを行ってみた。やはり腰が丸まっている。
撮った動画を確認してみると、腰が曲がるタイミングが見えてくる。シャフトが膝のあたりまで来たところで大体腰が曲がる。下ろすときも時々曲がるが、主に持ち上げるとき。持ち上げる際に、重りが地面から離れるところから、シャフトが膝を通過するまでの間によく曲がることがわかった。
重りを地面のところまで下げているからいけないのか?根本的な解決にはならないことを承知で、膝までしかシャフトを下げないハイクリーンに切り替えて行った。5本ほどやって動画を確認すると、腰の曲がりはだいぶ改善されていた。ただ、まだ若干曲がっている。というより、少なくとも骨盤前傾にはなっていない。後傾と前傾の中間から後傾までの間って感じ。
下段の写真はほぼ同じタイミングの写真で、下まで下げた時の写真。上段の膝までしか下げていない写真と比較すると、腰の曲がり具合の違いがわかる。
そもそも骨盤前傾した状態でハイクリーンを行うことはできるのか?そこに疑問を持つのはまだ早いかもしれない。後傾するのが、重りを持ち上げるときであることがわかった。膝上を通過すれば、理想ならほぼ無重力状態に近づき、上半身への負荷は減る。それまでのタイミングで腰が曲がるということは、つまり、膝の近く云々というのは関係なく、とにかく負荷が上半身にかかっている状態で腰が曲がる、というのが適切なのかもしれない。
膝よりも前にある重りを持ち上げようとすると、物理的にこうなってしまうのかもしれない。確かにシャフトのベクトル自体は鉛直方向で悪くない。もしかしたら、もう少し手前方向に引いた方が良いのか?
ここで、この腰が曲がる問題は、ハイクリーンから切り離して考えるべきだとわかってくる。クリーンができていないのではない。その前の、ファーストプルができていないのだ。ファーストプル自体は、デッドリフトとほとんど同じである。腰が曲がる、骨盤が後傾する理由は姿勢などの構造的なものなのか、力の入れ方などの力学的なものなのか定かではないがなんとなく絞れてきた。あとは、デッドリフトで集中的にトレーニングするのが一番早い方法だろう。
クリーンも行いつつ、デッドリフトや軽い重さのクリーンで修正していく。今後はそんな風にハイクリーンに臨んでいきたい。
とりあえず今日は50*10*2 50*5*2 50*10 と、50*10*3を考えずに行なった。
腹筋台と大腰筋
腹筋台を使った腹筋も行った。大腰筋、腸腰筋がスプリンターにとって大切なのは自明である。順位づけに意味があるかはさておき、少なくとも今の自分にとっては一番重要な筋肉である。加速だけでなく中間疾走やラストの走りを形作る筋肉だからだ。腹筋台の角度を最大にすれば、ウェイトを手に持たなくても、20回から30回で十分なトレーニングになる。これと同じ強度と効率を兼ね揃えた自重トレーニングも開発する必要があるかもしれないが、しばらくは合同練習に影響のない程度に、トレセンで腹筋をしよう。
ミニハー
ミニハードルを行なった。この前の300*4の2セット目あたりで得られた、地面に足が受け入れられる感覚に再現性を持たせなくてはいけない。楽な走りにつながる可能性が大きいのだから。
G接地理論によれば、脚の接地位置は、全身の重心の真下、つまり重力の作用線上に最適な接地位置があると考えられる。また、接地位置はそれより少しだけ後ろでも良い。ブレーキがかかるよりは足が流れる方がマシという考え方だ。
ミニハーのメニューとは
よく、ミニハードルの練習メニューがわからないという悩みを耳にする。ミニハードル自体は道具でしかないから、またごうが跳ぼうが投げようがどうしても良い。自分のやりたいドリルをするつもりで、そこにハードルが置かれただけの練習で良い。ミニハー特有の練習はないだろう。あったとしても、それはミニハーがなくてもできるドリルだろう。
例えばミニハーを連続的に等間隔に配置してみよう。その間を、一歩ずつ、リズムでもつけながら、腿上げして通り抜ける。これだけで1時間は練習できる。脚の切り返しのタイミング、腕振りとシザースの動きの連動性、リズム感覚、脚を真下に下ろす感覚、ありとあらゆる点をトレーニングできる。このメニューがミニハーに最適な理由は、連続的に置かれたミニハーの間を動こうとすると、接地できる隙間が限られてくる。つまり、その点の真上に持ってきた脚は、そのまま真下に下ろすしかないのである。少しでも脚を引きがなら戻そうものなら、手前のミニハーを踏み、脚を巻きながら前につこうものなら、奥のミニハーを踏む。こうして、脚を真下に下ろすしかない状況が自然と作られる。
さらに、脚を引き上げるタイミングについて考えよう。脚の引き上げと同時に、次のミニハーの上に体を持っていく。もし引き上げのタイミングが遅いなら、ミニハーに足が当たるだろう。つまり、重心移動と引き上げのタイミングもトレーニング、もしくは確認できるのだ。
ミニハーの課題
今日のミニハーでもいくつか問題点が見つかった。まずは、脚を若干ながら、手前に引いてしまっているということ。これはストレイドが小さくなることにつながるし、脚を空中で巻いてしまう原因になる。これに関しては、体の真下に脚をつく意識を強化することで多少なりとも改善できた。
ただ、今度は次のミニハーに足が届かない事態が発生した。これは、体の重心移動が小さく、脚を体よりも前についているからである。それを改善しようと、重心移動を連続的に行うと、今度は、ハードルに詰まってしまう。これは、重心を移動させすぎた証拠だ。ポーズを置きながら進むこのドリルにおいて、本番さながらの連続した重心移動は向かないのだ。結局、接地脚を引き上げ、上がっている脚を接地するそのタイミングのみ、滑らかに重心移動を行い、その他のタイミングでは、静止することを徹底したところ、ミニハーの間にしっかり接地できるようになった。
ミニハーの攻略をしたところで走りが早くなるわけではない。ただ、体の動きや、そのアプローチ自体は他のところに応用できる。
今後を考える
ここら辺で、現在の課題と今後の練習メニューを考えとこう。
課題)
ウェイト
・肩周りの筋肉(特に後ろに腕を引く筋肉群)
・クリーンの腰が曲がる現象
・大腰筋が足りない
走り
安定して楽な加速と楽な中間疾走ができない
怪我
怪我しない
メニュー)
ウェイト
・ベンチと背筋群を使う筋トレ(ラットプルダウンなど)
・デッドリフトによる特化した練習
・合練に気をつけた腹筋トレ
走り
・合同練習のlong練で実践と感覚づかみ
・自主練でドリル
・加速練習(姿勢やベクトル)
・プライオメトリクストレーニングの継続
怪我
・ケアをしっかりする
・知識をつける
体力を上げるとかっていうのは課題で設定しない。練習すれば勝手についてくるからだ。怪我はしたくない。ただ、もし怪我したとしたら軽度で抑えるよう早めに気づきたいし、その後の処理もしっかり正確に行いたい。
いつまでにどのくらいのタイムっていうのはないけど、49秒台は夢として持っていても許されるだろう。