Cork

大学生スプリンターの考えすぎる練習日誌

どこにでもいる大学2年生の短距離練習日誌

11/13(水) 悲しみのオンパレード。そして何も感じなくなった。

 

ウォーミングアップですぐにわかった。

これはヤバい。

 

 

 

僕は今期最大の怪我をしたのだ。

 

 

 

 

細長い痛みが襲う

 

今日のメニューは

(80+100+120)+(120+150+200)

だった。

 

というのも自分は何ひとつ走っていない。脚が痛いんだ。

 

 

左の膝の内側が痛い。

内側の、細い筋のようなものが痛む。

 

接地する寸前から離地した直後まで、膝の裏に細長い痛みが走る。

 

目に見るように、長さ20cmの筋のようなものが悲鳴を上げているのがわかるんだ。

 

太さは親指よりちょっと太いくらい。

痛みは鋭くて、安静時痛はない。とにかく接地前後で痛む

 

 

 

 

伸ばすと痛いことに気がついた

 

痛みを感じてから、何本か軽く走った。どこがどのタイミングで痛むのかを知りたかったから。

 

なんとなく分かってきた。

 

脚全部をピーんと伸ばして、爪先を上げる。

その状態で体を爪先側に倒すと痛む。(シンキャクの姿勢)

 

 

多分だけど、接地する寸前の脚全体が一瞬伸びる瞬間と、離地する時に地面を押し切る、脚が伸びる瞬間に痛むんだ。

 

脚が伸びきった時に痛むということは、伸張がストレッサーになっている。

 

 

 

 

じゃぁどこで痛めたのか?

 

変な走りをしているからか?

でも、フォームが崩れたせいで、無駄に脚が伸びきっているとは思えない。

そんな急にフォームが変わることはない。

(むしろこの痛みをかばって走り続けたらフォームが酷くなりそうだ)

 

おそらく通常の負荷、通常の伸長に耐え切れないんだと思う。

 

簡単に思いつくのは、温まりきっていないということか。

前の土曜の練習では、いつの間にか痛みがひいていたからその可能性はある。

 

あとは、練習で痛めたか。

思い出せば、先週の月曜日のクリーンで、アップをまともにせずに、いつもは上げない60kgをやった。

確かにその時にこの痛みを初めて味わったかもしれない。

あぁ。昔の自分を呪いたい。

 

 

やる気が霧のように消え去った

 

 

本当なら、自分の動きを動画で撮って、どのタイミングで痛むのかを正確にあぶりだしたかった。

 

でも、ポツポツと降る雨と、ウィンドブレーカーを通過する寒い風が僕をいじめた。

走るみんなを、本当なら走るはずの自分が、走る格好でビデオ片手に録画と追尾を繰り返している内に、なんだかやる気が失せてしまった。

 

もちろん最初は、みんなの走りを見て、それで何か発見しようかと思ったし、友達の走りを見てアドバイスしたりしようかと思ったさ。

 

それでも、いつの間にかその気力さえも何処かへ行ってしまったようだ。

 

本来ならここで悔しさとか多少は感じるのかもしれないけど、結局何も感じなくなってしまった。

 

プレーン味の感情のまま練習は終わった。

 

それが良いか悪いかは考えないでおく。その力も今は残っていない。

 

 

さぁ、原因解明を始めようか

 

 

十分な後悔と悲しみを味わったら、原因解明の時間だ。

これ以上無駄な感情に浸る時間はない。

 

怪我をしている友達の多くは、その原因を知らないままでいる。

「ハムのハリ」とか「いつもの痛み」などという、医学とは遠く離れた言葉を抱いたままでいる。

 

 

 

確かに、医学的な名称を知ったところで怪我がすぐに治るわけじゃない。

病名なんて知らなくても時間が経てば治るかもしれない。

 

なんとかなると思っている人が多い。

でも、そういう人に限ってその怪我に不安を抱いたままでいる。

 

「どうせ1週間で治る。」そう言っていても、心のどこかでいつ治るのかどこまで動いていいのか、不安が湧き出てやまない。

 

もしくは、治ったと思った怪我が再発して、悲しみに暮れているかもしれない。

原因不明の怪我が再発した時は絶望的だ。

 

 

感情なんていらない

 

怪我をすればもちろんネガティブな感情が込み上げる。

でも、怪我をしたことは今更変わらない

 

今できることは、痛みの原因を医学的に突き止めること。

そして、その症状の具合を評価し、今後の動き方対策を練る。

 

その作業に感情は必要ない。

 

悲しみたいなら悲しめばいい。後悔もたっぷりすればいい。

 

でも、そのあとにしっかりと冷静に怪我を見つめなくてはいけない。

数字に、科学に、医学に感情はない。

 

 

インターネットで調べればいいじゃないか!

 

 

怪我をしたら病院へ行け。そんなことはわかっている。

でも、いつでも病院に行けるわけじゃない。

 

レントゲンを撮るのには13000近くかかるし、学校が終わる頃には町の病院は終わっている。

大病院に直接行けば、紹介状を持っていないからといって5400円余計にかかるし、だいぶ待たされる。

 

そして何より、病院に行ったところで怪我の名称がわかるとは限らない。

「慢性的な疲労」だの「筋を痛めただけ」だのって、湿布だけ出されて終わって泣いた人がどれほどいることか。

 

 

そういう時は、インターネットを使って怪我を突き止めようじゃないか。

もちろんネットの情報はコピペが蔓延し、しっかりした目で見ないといけない。

でも、病院に行くのと同じくらいの安心感と情報が得られることもある。

 

 

 

自分で言うのはおかしいが、僕は相当怪我を客観視できていると思う。

今まで数十冊のスポーツ医学の本を読んできた。

そして、インターネットの世界で、自分の怪我を特定しようと何度も試みてきた。

 

ここでは、僕が持っているノウハウの一部を共有させてもらいたい。

(ちなみに僕の今回の怪我の特定についてはもう少し時間がかかりそうだ。)

 

一番簡単な方法はこれ

 

最初にやることは簡単だ。

自分の状況を表す単語を並べてサーチすればいい。

 

「膝 内側 痛み 陸上」

とか、単語を色々と変えて調べてみる。

Googleで検索してるなら、最初の1ページだけでいいから、ざっとタイトルとかに目を通す。

 

当てはまらなさそうなら、今度は単語を変える。

こうやってアタックしていく。数回でヒットすることもあれば、何十回も調べたこともある。

 

 

ぽい病名が出てきたら、コピペするなりスクショするなりして保存していく。

まだ一つに絞っちゃダメだ。まずは何個も原因らしきものをリスト化していこう。

 

ある程度溜まってきたら、その具体的な怪我名でサーチをかける。

それが医学的な名称であればあるほど、医学系のサイトがヒットする。

 

そうやって突き止める。

 

 

それでも見つからない時は

 

 

今の方法で見つからないこともある。

104くらいで見つからない。

それでもまだ諦めちゃダメだ。まだ方法はある。

 

 

ネットで筋肉のイラストや写真を探そう。画像検索だ。

「脚 筋肉」とか「膝 筋肉名」とかで検索する。

 

自分の痛みがあるところ周辺の筋肉名がしっかりと書かれている画像を探そう。

それを保存する。

 

そこから、傷んでいる筋肉名をあぶり出して、その筋肉名とそれっぽい名前を合わせてサーチする。

大腿四頭筋 痛み」「大腿二頭筋 断裂」「ハムストリングス 陸上 怪我」

 

ただ、画像は2次元だし、主な筋肉名しか書かれていないかもしれない。

そういう時は、オンラインの人体模型を使おう。

 

https://human.biodigital.com/login?returnUrl=%2Fexplore

 

このサイトでは、簡単に人の筋肉や神経、骨を見られる。

どんな付き方をしているのかわかるし、表の筋肉に隠れている筋肉も見られる。筋肉を自由に透明化できるんだ。

 

 

 

 

まだ方法はある。

 

これでも分からない場合がある。

そう言う時はネットはお手上げかもしれない。

 

次の選択肢は、友達にひたすら聞いて廻るか、整体やマッサージ屋に行くか、病院に行くかだ。

 

 

友達は生きた情報源

 

友達にひたすら聞いて歩くことは馬鹿にできない。

 

例えば、僕はハードな練習なあと、毎回のように頭が痛くなる。

熱も38度以上は出ているし、午後はずっと頭が痛くて何も作業ができないことが多々ある。ベッドに入ってそのまま寝るしかないこともある。

 

この症状について、何日もネットで調べた。出てこない。高齢の人とか運動不足のお父さんの事例ばっかり出てきて、まともな情報はなかった。

 

でも、周りの友達に聞いたら、同じような症状が発症する友達を数人見つけた。

残念ながら僕より全然軽度だったし、完全な解明には至らないけど、症状が自分に特別なわけではないことがわかる。

これは大きい。

 

 

 

整体はおしゃべりな情報源

 

整体やマッサージに行くのもありだ。

 

もちろんマッサージしちゃいけない怪我は多い。

肉離れを揉んでもらう人がどこにいるか?

 

でも、しっかりしたところなら、向こうの人は自分より遥かに経験値が高い。揉んじゃいけない怪我は向こうが判断してくれる。心配無用だ。

 

そして、整体はただ体を揉むところじゃない。

患者さんと話す場所でもあるのだ。

 

だから、整体に行くことで不安が消えたりモチベーションがアップしたり、ポジティブな発想に転換することができるかもしれない。

 

また、彼らはものすごい数の人を見てきて、コミュニケーションをとってきた。

だから、町のなんでも病院やネット情報よりも詳しい情報にヒットする確率が高いのだ。

 

実際、僕の右足首の痛みに関しては、ネットを使っても、友達に聞いても0ヒットだった。

でも、整体に行った途端、あっという間に怪我の候補が上がり、解明に至ったのだ。

その途端、意味不明な不安から解放され、今後の計画と対策を落ち着いて寝ることができた。

 

 

 

病院には機械がある

 

ヒビが入ったとか、骨折したかもしれないなら、友達に聞いて回るのはもちろん、整体に行ってもどうしようもない。

 

病院のいいところは、レントゲンが取れることが一つある。

場合によっては筋肉の微妙な断裂を画像で検出することができるかもしれない。CTをとればできるとかできないとか。

まぁ病院について書くことは少ない。ご存知の通り。

 

 

 

終わりに

 

と、ここまで怪我の解明方法について書き連ねてきた。

 

重要なことをまとめよう。

 

感情的になり詩を書くことも大切かもしれない。

だが、科学的に怪我と向き合うことで、今までにないスポーツに対する姿勢を身につけることになり、結果として怪我をして速くなる、強くなることだってできる。

怪我で全てが終わるんじゃない。怪我で遅くなるわけでもないし、怪我で弱くなることもない。

本当に遅く、弱くしているのは、怪我と向き合った時の自分の姿勢とか考え方とか。

そういうところで、そこから目を背けているだけだ。

 

今更、怪我をしたことはもうどうでも良い。

とにかく今は、今できることに集中しよう。